まーくんが持っていた銀行口座の凍結と相続の手続きです。

口座の持ち主が死ぬと、申し出て口座を凍結してもらうことになります。
なぜなら、これは相続の対象となる財産だから。

親族間で、気がついたら使われていた!ということを防ぐ為にすぐに申し出なければなりません。

でも、別に申し出ないからと言って勝手に口座が止まることもありません。
銀行側は持ち主が死んだかなんて調べることはしませんので。



無知だった私は、姪っ子と話している時に
「死んだ事を言ったら口座が凍結されて、えらい面倒らしい」
という情報を得て、「じゃあすぐに下ろさねば!」と行動しようとしました。


普通口座は暗証番号もわかるので下ろせるものの
定期預金の口座は本人がいなくては手続きができません。
身分確認証を持って行けばよい。それなら顔写真の入っていない健康保険証を持って、
まーくんの代理を携えて行けばよいじゃないか!(あれ?犯罪?)

親戚のHくんとまーくんの兄に、どっちがまーくんとして年齢相応かと相談しました。
すると


「ちょっと待て」


と、ストップが。
この兄、実は税務局関係者。税のプロです。
「やめておきなさい」と。

相続するものが高額にならなければ、相続税がかかってくることはないけど
もし、高額になって税務局がちょっと目をつけ
調べた際に死んでから口座が動いていたとなると大変なことになる。と。
大した手続きじゃないんだから、手続きをしなさい。と。

真っ当にすることにしました。
プロに目を付けられたのでせざるを得ません。


結果からいうと、まーーー面倒臭い。普通預金から勝手に引き出した方が何万倍も楽です。
まぁ、だめなんでしょうけど…

いくつかの銀行で手続きしたので、
情報をまとめたいと思います。
自分の口座の持ち方を考えるきっかけになりました。


自分が死んだらどうなるのか
近しい人が死んだらどうなるのか
一度考えてみませんか。
できるだけ手続きは簡素にしておきたいものです。


持っていく書類

銀行によってそれぞれ違うし
遺言書の有無によっても違うと思うので
せせらぎ家の場合。ごく普通一般家庭ですね。

①亡くなった方の除籍謄本、戸籍謄本または全部事項証明書(出生から死亡までの連続したもの)
②相続人全員の戸籍謄本または全部事項証明書
③相続人全員の印鑑証明書
④実印
⑤亡くなった方の通帳・証書・キャッシュカード(紛失でも大丈夫)


①②は、まーくんが死んだと載っていて、かつ家族の情報も載っているので
併用できます。
③は、子供達は未成年なので私の分(親権者)だけの印鑑証明書を持って行きました。
あとは、各銀行の所定の手続きをしていきます。

そして注意が一番必要で、一番厄介なのが①の戸籍謄本(出生から死亡までの連続したもの)。
“出生から死亡までの連続したもの”というのが集めるのが大変でした。

 出生から死亡までの連続したものの戸籍謄本とは

現住所がある役所でもらう戸籍謄本に、出生も婚姻も死亡も載ってるし、これでいいんじゃない?
と思って出向いたらダメでした。
本籍が動いたら動いた場所ごとに全部取らなきゃだめということらしいです。


人生を遡ります。
今の本籍住所の戸籍…お世話になっている役所へ取りに行きます。

前の本籍住所の戸籍…本籍写す前の住所での役所へ取りに行きます。

その前の本籍住所の戸籍…さらに本籍写す前の住所の役所へ取りに行きます。

本籍を移せば移すほど、手に入れないといけない戸籍謄本が増えます。


まーくんは
・今住んでいる住所の戸籍
・結婚する時に住んでいた住所の戸籍(まぁ、取りに行けなくはない距離)
・結婚前にあった本籍の戸籍(実家の時の物。めっちゃ遠い!行けるか!)
の3つの戸籍謄本が必要でした。

上記2つは、直接取りに行きましたが
まーくんの実家のものは郵送で取り寄せました。

郵送で取り寄せられるんです。
・申請書(取り寄せる住所の管轄のホームページなどで入手。近くの役所でもあるのかな?)
・手数料文の定額小為替(今回は電話で聞いた3000円ほど入れました。郵便局で入手)
・宛先を記入し切手を貼った返信用封筒
・請求者の本人確認証のコピー
を取り寄せたい戸籍謄本がある管轄の役所に送ります。
(手続きする際は、一度管轄の役所で確認してくださいね。)

ちなみに、
返信してくれる際に書類の量が多くて私が貼った切手分じゃ足りず
郵便局にあとで払ってください!という書類もありました。

この戸籍謄本を手に入れるのに、時間と労力を使いました。
今の謄本、前の謄本、実家の謄本、実家の謄本のなんだか古そうなやつ。
の4種を手に入れました。


さて、ここから銀行めぐりです。
簡単にどの銀行がどうだったかお伝えします。



三井住友銀行

ここは住宅ローンと、普通預金です。
住宅ローンの手続きをはどうなるのかと、質問のため所定の場所へ電話をまずしましたら

「最初に口座を凍結しましょう!」と。
そこから相続手続きに入りました。
突如住友の口座が止められました。

住友銀行の相続手続きは電話と郵送のやりとり。

向こうから「相続オフィスの相続の手続き」みたいな書類が送られてくる

それを読み、必要書類を用意し送る。

書類が受理されたら、別の書類が手配され送られてくる。

送られてきた書類を記入し、送り返す。
※不備があったら電話なりで連絡がくることも。

ってまどろっこしいわ!何度郵送のやりとりをさせるんだ。
郵送のやりとりなので、そこそこの時間がかかります。
死んですぐ、ローンの電話をかけたので、
口座相続が終わるまで1ヶ月以上はかかった気がします。

三菱UFJ銀行

普通預金と、定期預金を持っていました。

旦那が死んだので相続手続きにきました。
と、受付の行員さんに伝えると
すぐに窓口の一番端の席に通されました。

この銀行の相続手続きはテレビ電話でした。
テレビ電話の向こう側に相続オフィスがあり、必要書類などの確認や書き方を伝えられます。
書類が揃って入れば、その後ふつうの窓口で行員さんと一緒に
書類の確認や記入をしていきます。

私の場合、“出生から死亡までの連続したもの”の戸籍謄本がなかったので(これがよくわかってなかったので)一度では終わりませんでしたが
書類が揃っていれば、窓口の手続き一度で済みました。


ゆうちょ銀行

普通預金と、定期預金、
そして、義母様が勝手に作って持っていた別口の普通預金がありました。

義父母様の口座は残高も口座番号も不明だったのですが、
調べてくれて粛々と一緒に手続きができました。

ここも、基本郵送のやりとりとのことだったのですが
相続窓口には行員さんが連絡をしてくれたり、必要書類を確認してくれたり
郵送自体はそんなにありませんでした。

窓口で提出したものに対して、郵送で何かが送られてくる。
送られてくるだけで、提出は窓口でした。

ただ、ここでも“出生から死亡までの連続したもの”の戸籍謄本が引っかかる。
ここで引っかかった戸籍謄本、その名も“改製原戸籍謄本”


 改製原戸籍謄本とは

他の2つの銀行で提出した際に問題はなかったのに、
ゆうちょに行った時に
「この形式ではなく、縦書きのものを揃えて欲しい」と。
他の形式ってなんだ?あるのか?と聞くと、あるはずです。と。
でも、役所に行って取ってきたのに他になんて伝えれば取れるのか?と。
相続オフィスに確認します。と。あっちもよくわかってない。

戻ってきても、縦書きのものを用意してくれの一点張り。
私が用意してきた“出生から死亡までの連続したもの”の戸籍謄本の中にも一つ縦書きのものが
ありました。手書きで、いかにも昔な感じの。

そういうものを結婚してからの期間のものも用意してくれ。の一点張り。
意図を聞いても容量を得ない。
本籍の移り変わりは今のもので十分わかる。
なぜ必要なのか。本当に役所でもらえるのか。と問いただすと
「確認します。」と奥へ消えて行きました。


縦書きのものは“改製原戸籍謄本”というらしい。
戻ってくる間にスマホで調べに調べる。

ゆうちょは結婚後のものがあればいいので、その間の“改製原戸籍謄本”。が欲しいとのこと。
調べれば調べるほどよくわかない。
でも調べていくうちにどうやら“改製原戸籍謄本”の概要がつかめてきた。

今の戸籍謄本はコンピューター処理で横書きのもの。
この様式は戸籍法が改正されるごとに変わるようです。
そして記載される事項も変更となることがあります。
平成6年の戸籍法の改正で縦書きから横書きに変わりました。
平成6年といえばまーくんは19歳。まだ実家の本籍に戸籍があります。
だから、それより前の戸籍は縦書きとなるわけです。

だから、それ以降の戸籍謄本は持参した横書きのものでよいはずなのです。
結婚した年なんて5年しか前じゃないんだから“改製原戸籍謄本”はないはずなのです。
戻ってきた行員にそのことを伝えると
「ウチの母の相続手続きの時にはありましたよ。」と。
そりゃそうだ。お前の母は何歳だ。
平成6年より前の人生が長い人は、その分“改製原戸籍謄本”の量も増えるのでしょう。
結婚してからのもので良いとしても、平成6年より前だろう。

また、奥に消えて行きました。
戻ってくると、「大丈夫だと思います。」とのこと
電話をかけていた相続オフィスの人もよくわかってないけど、とにかく縦書きのもの!
でも理由はよくわかりません!とのことだったようです。
他の人に変わってもらったら、大丈夫だと思います。とのこと。

なんだそりゃ。
誰しもみんなわかってない。笑。

相続の手続きなんて、大概がご老人。
“改製原戸籍謄本”の出番がいっぱいあったのでしょう。

なんだかとっても疲れましたが、結局は、他の2つの銀行さんと同じもので良かったわけです。


“改製原戸籍謄本”が必要だった理由として
子供(相続権利者)が他にもいるかもしれない!ということらしいです。


・改正前に離婚して子供Aと妻が籍を抜けます。

20171219_kaiseigennkoseki1
・戸籍法改正により、除籍された人は表記されず新しい戸籍が作られます。

20171219_kaiseigennkoseki2

・再婚して新しい子Bができ、戸籍も追記されます。

20171219_kaiseigennkoseki3

今の戸籍には妻と、B子が相続人と分かりますが
実は昔にもA子がいた事実があります。
今の戸籍謄本には記載されてないけども
相続人は、今の妻とB子、A子となるわけです。
大ざっくりはこんな感じです。


このA子の存在を調べるために、結婚をした事実と子がいた事実が全部わかる証明書が必要なのです。
戸籍法改正で情報が別れてしまうんですね。


まとめ

まーくんは3つの口座を持っていました。
そして、三者三様手続きに違いがありました。

三井住友銀行のなんと面倒臭いこと。
三菱UFJ銀行のなんと楽なこと。
相続手続きは一般業務とは頻度が違うので、誰もよくわかっていません。


ゆうちょの手続きをした際に「口座を凍結しますが、光熱費など引き落としなどに使われていませんか?大丈夫ですか?」と確認されました。

は!としました。
口座が止まるということは、引き落としが全部かからなくなるということです。
ゆうちょの手続きの前に2つの銀行の口座を凍結しましたが、そんな助言はされることもなく…

せせらぎ家は引き落とし系は私のクレジットカードを使っているので問題なかったのですが
まーくんの口座を使っていたら、全部とまってしまうところでした。
そして急いで全部名義替えをしなくてはいけないところでした…
ガス・電気・水道・ネット・NHK・他引き落とし…
ただでさえ、手続きいっぱいあるのに早急にしなきゃいけなくなるところ…


今回の預金相続、口座凍結にあたり
自分の口座のあり方を考えました。

私が死んだら、子供達が手続きをすることになる。(しばらくは代理人かな。)
引き落とし系は全部一つに集約して、そこさえ凍結しなければ、しばらく生活できるように。
ということは、そこでは定期預金を作らない方がいいな。
(定期預金解約には本人がいるので、本人が死亡したと伝えたら口座が凍結されるので)
定期預金なんて本人の確認が必要なのに金利もたいしてないし…
大きく残してあげるなら、保険商品の方が相続の観点からも振込の速さからも良いかもしれない。

預金相続するのはUFJが一番楽だ。
大きくはここで貯めようか。

口座自体、いくつも持つのもいかがなものかな。

私が死んだ後、両親が死んだ後、子供達が死んだ後(考えたくもないわ!)
どうしておいたら一番楽な状態にしておいてあげられるかな。
すごく考えるようになりました。

うちは3銀行しか比べることができませんでしたが、
もっと簡単なやりとりができるところもあるかもしれません。



ある日、三井住友銀行で順番待ちをしている時
後ろでおばあちゃんが「おじいちゃんが死んで、定期預金の解約に来たの。」と。
相続になりますので、別途説明します。と言われていました。
「まぁ、相続だなんて。ちょっとしか入ってないのよ。」
でも、一円でも相続になりますので。と。

ちょっとの相続を、あの面倒臭い郵送のやりとりを、戸籍の取り寄せを、
おばあちゃんが一人でやるのか。
かわいそうに。…と心からエールを送りました。

本当に、財産の持ち方考えものですな。
自分のお金なのに、便宜上旦那の口座に貯めていたり…


この記事で、自分の預金を見直してみるか。
と参考にしていただけたら幸いです。