一家の大黒柱を失って、一番に心配したのは家計でした。
親戚の姉ちゃんが、「まーくんは会社員だったから保証は手厚いはず」と言っていました。
それが遺族年金のことだったのですね。きっと。
働いてない今、生活の保証をしてくれているものです。大助かり。
まあ、全部は保証されないですけどね。

死別されてない方も、これからの保険を考える時に知っておくと役立つでしょう。

遺族年金の制度を簡単に紹介します。
年金額や要件などは、細かいし情報がわかりづらくなるので、
あくまで入門編。
制度として知っておくと心強いです。
分かりやすく伝えられたらなと思います。


色々な状況があると思いますが、せせらぎ家の場合ってことで。
参考までに。
いつか、誰かのお役に立てれば…
(ちなみに2017年の話なので、時間が経てば経つほど制度が変わる可能性もあります。)





遺族年金とは

年金加入者が死亡した時に、残された家族に払われる年金です。


20歳以上の方は大体働いておられるので、自営業者が入る国民年金か、会社員が入る厚生年金か、
大抵は加入していると思いますが、加入してないともちろんもらえません。


遺族年金は2種類

①自営業の方などが入る国民年金からでる遺族年金は→遺族基礎年金

②会社員の方などが入る厚生年金からでる遺族年金は→遺族厚生年金

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まーくんは会社員だったので、①+②です。右側ですね。

①遺族基礎年金

受け取れる人→生計維持関係にあった子のある配偶者、または子。内縁関係の配偶者もOK!
受け取れる期間→下の子が18歳になった年の最初の3月31日まで。(障害等級1級or 2級は20歳まで)
年金額→子が何人いるかで変わる。けーくんが成長したら、しーちゃんの分だけもらう。

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受け取れない人残念なことに子のいない人年収が高い人0円です。
        高収入は850万円以上なので、年金必要ないんでしょうね…

ただ、子のいない人への救済処置として
寡婦年金死亡一時金という制度があります。
でも寡婦年金は60歳になってから5年間しか受け取れなかったり(60歳まで待つ!)
死亡一時金はすぐもらえるけど120,000円〜320,000円の間だったり、
生活の保証というほどのものではないですね。
納めていた保険料を掛け捨てにしないため、少し貰えるという感じでしょうか。



②遺族厚生年金

受け取れる人→生計維持関係にあった配偶者、子父母、孫、祖父母(受給順位順)
受け取れる期間→受け取る人により違う
年金額→生きていた場合に支給されるはずだった年金額の4分の3

大きく5パターンくらいあるのでザッと伝えます。


パターンA<妻30歳以上もしくは子がいるの場合
受け取れる期間→生きている限り
子が18歳を過ぎて遺族基礎年金がなくなっても、40歳〜65歳の間は中高齢寡婦加算がある。
中高齢寡婦加算は584,500円(平成29年度)くらいです。
65歳以降は遺族厚生年金と自分の年金(老齢基礎年金)がもらえます。
※昭和31年4月1日以前の生まれの方は、経過的寡婦加算も貰えます。(65歳以降)

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パターンB<妻30歳以下で子がいないの場合
受け取れる期間→5年
子もいないし、若いし、新しい人見つけてくれ。って事なんですかね。

パターンC<子・孫の場合>
受け取れる期間→18歳になった年の最初の3月31日まで。(障害等級1級or 2級は20歳まで)
養育期間が終わったら、自分で生きていけよ。って事でしょうか。ま、そうだよね。

パターンD<夫・父母・祖父母の場合>
受け取れる人→55歳以上。
受け取れる期間→
60歳から一生涯。子がいる場合に限り55歳からも受け取れる。
子がいるということは遺族基礎年金が出てます。遺族基礎年金需給者に限り55歳から受け取れる。
仮に夫が40歳で生まれた子が、55歳時点では15歳なので、
夫が55歳の時に妻が死んだら3年間需給できることになりますね。
子が18歳を過ぎたら、自分の60歳を待ちましょう。
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パターンD<夫55歳未満>
まったく受け取れません。O円です。
妻の収入、自分の収入関係ありません。
まだまだ働けるでしょ。自分で頑張って。ということですね。

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この5パターンから見受けられる通り、遺族厚生年金はほとんどの人が貰えます。(加入してれば)
ただ、
夫以外は!
夫だけ超厳しい。
死んだのがまーくんではなく、私だったら、一円も出なかったということになります。
あ、遺族基礎年金は出ますよ!子供がいるので。子が18歳まで。
えらい男尊女卑。いや、女尊男卑か?
逆なら妻は一生もらえるのに…(子がいれば。もしくは30歳以上なら。)
様々な家族の形がある昨今、主夫の方だっているだろうに…
でも、これが今の遺族厚生年金の形です。
それでも少し緩和されて、以前は子がいても55歳から60歳の間の支給はありませんでした。
いずれ変わっていくのでしょうか。

遺族年金にかかる税金

非課税です。
この年金の性格からか、税金はかかりません。
普通に65歳からもらう老齢年金は雑所得の『収入』とみられ、税金がかかります。


支給日

偶数月の15日(2月・4月・6月・8月・10月・12月)
まーくんは8月に死んで、8月か9月に手続きに行きました。
手続きから最初の支給は2、3ヶ月かかると思ってもらって良いと思います。
10月の支給日には、間に合わないから、12月に入ると言われました。
結果は、11月に9月分。12月に10月11月分。
11月は奇数月ですが、調整として入金されてました。
12月から通常通り支給されるという調整になった様です。


いつから支給されるか

死んだ月の翌月から


手続きに関して

自分でお住いの管轄の年金事務所へ行って手続き
通知が来るわけでもありません。死んだら自分で動く。
誰に教えて貰えもしませんが、私はまーくんの会社から教えてもらいました。
フラッと手続きに行きましたが、書類が全部揃っているわけでもなく…
そこで必要書類を聞きと予約をしました。

電話で予約を取って、必要書類を聞いて持っていく事をオススメします。

持って行った書類
①年金手帳 
②戸籍謄本 
③世帯全員の住民票の写し 
④死亡者の住民票の除票 
⑤請求者の所得証明書 
⑥子の収入が確認できる書類(義務教育中は不要、高校生・大学生は学生証か在学証明書) 
⑦死亡診断書 (まーくんは病院で死ななかったので死体検案書)
⑧遺族年金受取人の通帳 (受け取りは私ですが、子供達の口座も教えて欲しいと言われました)
⑨印鑑

※電話で確認する事をオススメします。必要なものが変わってることもあるので。

ちなみに、手続きが遅れても遡って支給してくれます。
ただ、5年間だけ。
10年後に手続きに行ったら過去5年は払ってくれますが、その前の5年分は支給されません。


遺族年金が失効する時

THE・再婚した時
です。(内縁関係・事実婚を含めます。)
新しい夫とやっていけよ。ということですね。

新しい夫とうまくいかなくて離婚しても、前夫の遺族年金は復活しません。
ここに死別再婚率を低くしている理由があるのでしょう。

死別再婚は、離婚後の再婚に比べ、えらく少ないみたいです。

子供がいたら尚更、需給がなくなる可能性は残しておきたくない。
だったら再婚しない!となるのでしょうか。
私はなるなぁ。子供の養育が一番の最重要項目だからな。
愛したまま別れてしまったので、次にいく気持ちがないのもあると思います…

まとめ

これが、残された家族を支える今の年金制度です。
私はありがたいことに、一番貰えるAパターン。
遺族厚生年金は払い済みの金額や期間で換算されるので、
まーくんは若くして死んだのでそこまで貰えません。

それでも、本当に助かります。
一生まーくんに守られて生きていくのです。

遺族年金の制度を知っておけば、今入っている保険を少し減らせる部分が出てくるかもしれません。
逆に、ほとんど貰えないパターンに入っている方は、他で補う算段を考えていいかもしれません。



知っている事と知らない事、本当に命運を分けるなと思います。


遺族基礎年金は18歳未満の子がいれば貰える。
遺族厚生年金は条件によって様々。一生もらえる場合もあるし1円も出ない場合もある。

簡単に言えばこうでしょうか。遺族厚生年金のすごい天国と地獄感。笑。



まずは55歳未満の主夫の方!0ですよ!
保険見直してはどうでしょう。


ちなみに、自分が頑張って働いて、老後厚生年金を沢山もらえる様な人は、
“老齢厚生年金” か“遺族厚生年金” か“両方をうまく併給した” の中から
一番多い方をもらうことができます。